死にたいと思ったので、行動してみたところ

生きること - つづく

 

この前の続きみたいなものだけれど、死にたくなった僕がどうしたか、というと、

「死んでもいいですか」

でググった。

 

知恵袋かなんかの質問版が一番にでてきた気がする。

そこには、案の定、死んじゃダメ、とか、寿命が終わったら、とか、勝手に死ねとか、何の役にも立たないコメント。

 

でも、いのちの電話みたいなものは出てこなかったので、ほっとした。ああいうのって、どのくらい役に立っているのだろうか?

 

少なくとも、僕の場合、逆効果だった。一回、かけてみたこともあるけれど、見ず知らずの人間に話しても、僕は救われなかった。

 

話がそれたけれど、いのちの電話のかわりになにがでてきたかというと、

 

「月が綺麗ですね」

「死んでもいいわ」

 

聞いたことのある人もいるだろう。

 

夏目漱石と、二葉亭四迷の  I love you.   だ。

 

これだけが理由ではないけど、生きていてもいいかな、と思った。

月がみたくなった。昨日は、天気が悪かったから、今日まで生きていかなくちゃならなくなった。今日も天気が悪かったので、明日も生きていくのだろう。

 

死のうと思っていた。ことしの正月、よそから着物を一反もらった。お年玉としてである。着物の布地は麻であった。鼠色のこまかい縞目が織りこめられていた。これは夏に着る着物であろう。夏まで生きていようと思った。

 ── 太宰治 「葉」(青空文庫より引用)

 

ふっとまだ読んでいない小説の冒頭を思い出した。生きていようと思った。

 

17歳で人生について、どうもこうも言えないけれど、僕は僕なりに、少しずつ、先延ばしにするみたいでも、生きていこう、と思う。